界面活性剤はキケン!? 〜そもそも界面活性剤って何?〜
毎日のように使うものは、なるべくいいものを選びたい!
ちゃんと選ぶなら成分もチェックしたいところですよね。
特に世間で「これは良くない」って言われているものはできる限り排除したい…と思うのも当然です。
こうした「世間で忌み嫌われている」成分について、
それが本当に忌み嫌うべき存在なのかどうか?紐解いてみたいと思います。
「界面活性剤」とは何か?
「界面活性剤を使っていません!」「天然のものしか使っていません!」
こうした文言って、よく見かけますよね。
あんまりにも目にしすぎて「界面活性剤といえば、よくないもの」って思っている方も多いのでは?
でも、その理由について、いやそもそも、界面活性剤がなんなのかしっかり説明できるでしょうか。
「界面活性剤」の4つの顔
界面活性剤には、4つのタイプがあります。
1:アニオン(陰イオン)界面活性剤
2:カチオン(陽イオン)界面活性剤
3:両性(アンホ)界面活性剤
4:非イオン(ノニオン)界面活性剤
陰イオンとか陽イオンとか、イオンなんて言葉、久しぶりに聞いたな〜。あれってあんまり得意じゃない化学の授業で出てきた言葉だっけ…はい、そうですね。
でもそんなに難しいことではありませんので、ご家庭にあるものを思い出しながら読んでみてください。
それぞれの特徴についてはこちらです↓
1:アニオン(陰イオン)界面活性剤
洗浄が得意
・乳化、分散、洗浄に利用される
・洗浄力が強く泡立ちが良い
インクや墨汁のような、水に溶けない性質のものを分散させて水の中に溶け込ませている。
衣類や食器を洗う洗浄剤に利用される。化粧品類ではシャンプー、ボディソープ、石鹸など。
2:カチオン(陽イオン)界面活性剤
帯電防止や殺菌が得意
帯電防止はカチオンだけの特徴です。
毛髪や細菌の体は「マイナス」に帯電するタンパク質が主成分。そこに「プラス」に帯電したカチオンが近づくと「プラス」と「マイナス」が引き合って、毛髪や細菌の表面がカチオンで被われます。
被われた表面は性質が変わり、その結果、毛髪ならつるっとした手触り、細菌だと体表面が変質して破壊(殺菌)される。
吸着力はリンスやヘアコンディショナーなど、殺菌力については制汗剤などデオドラント製品に利用されています。
3:両性(アンホ)界面活性剤
皮膚への刺激性や毒性が低く色々な場面で活躍
陰イオン性、陽イオン性のどちらにもなれ、陰イオン性のときはマイルドな洗浄力を、陽イオン性のときはマイルドな殺菌力を発揮します。
シャンプーの泡立ちや増粘、コンディショニング(整える)効果を補助する。乳液などの乳化した状態を安定させる
4:非イオン(ノニオン)界面活性剤
乳化が得意
水に溶けてもイオンに分かれないため、どんなイオン性の成分とも自由に組み合わせることができます。
親油性(油となじみやすい)、親水性(水となじみやすい)どちらかの性質を強く持つものを合成できる利点があります。
乳化剤や可溶化剤、増粘剤として、マイルドな洗浄剤として、さまざまな使われ方があります。
(イオン界面活性剤と比べて)泡立ちが少ないので食洗機専用洗剤として使われています。
界面活性剤のまとめ
一口に「界面活性剤」と言ってもこんなに「種類」があって、それぞれ全部違う得意技があり、様々な目的でいろんなものに使われていることがわかりますね。
こんなにたくさん、日頃から目にするものに使われている成分が本当に「キケン」で忌み嫌うべきもの、なのでしょうか?
誤解される原因については様々あると思いますが、続きは改めて書かせていただきたいと思います。